島田先生のこと
昨日、5月1日に、
私のマジックの先生がほんとの星となった。
先生から、ハト、傘のマジックを伝授していただいた。
私と島田先生を繋いでいただいたのは、
テンヨー 山田昭 社主。
「お前、イリュージョンができるのは分かった。
お前に足りないのはスライハンドだ。
島田を紹介してやるから、可愛がってもらえ。」
そのハトのアクトは、
私のショーのオープニングアクトとして、現在も上演している。
島田先生からハトのアクトを教えていただいたのは2006年、
初めて自分のショーの演目としたのが2009年。
この間、3年間、ずっとやらずにいた。
やれないのではなく、やらなかった。
なぜなら、
ミステリアスな雰囲気の島田スタイル。
陽気なテーマパークカラーのたかおスタイル。
島田先生とは、真逆のスタイル。
その島田スタイルをそのまま上演しても、ただのコピーであり、たかおがやる必要もなく、
それよりも、
真逆のカラーの演技をそのまま自分に当てはめても、到底はまらなかった。
私はずっと悩んでいた。
しばらくして、ハトを額に収めて絵を完成させるアイディアを思いついた。
すぐに道具を作り、リハを兼ねて児童館や近隣施設を回りテストを重ねた。
ようやくたかおタッチのハトアクトが完成した。
それからすぐに、テンヨー大会で、
客席に座る島田先生と山田社主に、私のハトのアクトを見てもらうことができた。
三越劇場の楽屋通路で、
嬉しそうな弾んだ声で、
「たかおくーん!うん、いいね!」と
何度も肩を叩いてくれた。
「あきらさん、彼はちゃんと自分なりにアレンジしてくれててね。」
「島田に褒められて良かったな!」
と、今でも思い出す。
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今年の4月
病気が再発して、体調が激変した。
「たかおくん…」
最後の電話の声は、カスれて元気がなかったが、やさしい話し方は変わってなかった。
たくさん話してくれた私との思い出は、
ただただ泣きながら聞くことしかできなかった。
その会話の中、ぼくのことを先生は、
「ハト、傘を引き継げて嬉しいよ…
自分は弟子を取るような性格じゃないから
たかおくんのことは、先生、生徒の関係じゃなく、
友だちとして思っていたよ…」
…だからいつもぼくのこと、
いつも嬉しそうな弾んだ声で呼んでくれてたんだ…
「たかおくーん!」
って。
もう聞けないと思うと、すごく寂しい。
ゆっくり休んでください。
ぼくの81歳のともだち。
たかお晃市
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- 17:22
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